専業主婦が正社員

専業主婦が正社員として再就職をするのはなぜ困難なのか?

専業主婦が正社員として再就職をするのはなぜ困難なのか?

専業主婦になるということは、夫の収入のみでずっと生計を立てていくということになります。

 

夫に十分な収入があって、それだけで十分な生活が成り立っている間は、何も不安を感じることはないかも知れません。

 

しかし、世の中何が起こるか分かりません。

 

夫がどんな大企業に勤めていたとしても、それだけで一生安泰ということは言えない時代になってきています。

 

いったん景気が悪くなると、盤石な経営をしていると思われていた夫の会社があっさりと倒産してしまったり、倒産を免れたとしても大幅な人員削減によって夫がリストラの対象になってしまうかも知れません。

 

長い人生の間には、どんなことが起こるか容易には想像がつきません。

 

そういった危機に直面したときに、これまで長らく専業主婦をしてきた人が、いざ就職をしようとしても非常に困難であるという現実が待ち構えているのです。

 

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逆転した共働き世帯と専業主婦世帯の割合

結婚と同時にめでたく寿退社となり、あこがれの専業主婦になるというのがあたり前の時代がありました。

 

いまから25年ほど前の1980年頃は、専業主婦の世帯が全体の65%もありました。

 

その当時は夫婦共働きの世帯は、わずか3分の1程度でしかなかったのです。

 

それが現在では、専業主婦のいる世帯の割合は38%程度になっています。

 

つまり、25年前と現在では、専業主婦の世帯と共働きの世帯が逆転をしてしまったわけです。

 

今後も、ますます共働きの世帯は伸びていくと予想されます。

 

主婦の正社員の割合はわずかに8%

現在では確かに共働きの世帯は圧倒的に多くなっているのですが、実は主婦の正社員の割合は非常に少なくなっています。

 

ある調査によりますと、子供のいる共働き世帯の女性が正社員として働いている割合はわずか8%だそうです。

 

40代以上の女性に限定しますと、さらに4%にまで下がってしまいます。

 

つまり、結婚して子供が生まれたあとも、仕事を続ける女性のほとんどは、パート・アルバイト・派遣社員といった、非正規社員ということになります。

 

結婚をして子供のいる女性の正社員率が低いのには、大きく分けて2つの理由があると思います。

 

あえてフルタイムで働きたくない女性

理由の1つは女性側の問題です。

 

共稼ぎとはいっても、やはり考え方としては専業主婦の延長で、フルタイムでは働きたくないという人が多いわけです。

 

特に、日本という国は、税金の控除や年金の第3号被保険者制度によって、主婦は恵まれた立場にあります。

 

あえて払う必要のない税金や年金を負担してまでは、働きたくないという人も少なくないわけです。

 

また、まだ子供が小さいうちは、どうしても子供が中心の生活になってしまうために、あえて働く時間は限定したいと考える人が多いわけです。

 

つまり彼女たちは、あえて正社員としてフルタイムで働くことを拒否しているわけです。

 

主婦を正社員にしたくない会社側の言い分

あえて正社員になりたくない主婦がいる一方で、採用をする会社側にも主婦を正社員として採用したくないという事情があります。

 

小さい子供のいる家庭であれば、学校の行事や子供が病気で熱を出したりして会社を休まなければならなくなることも多いと思います。

 

また、主婦であれば家事などをする必要があるために、残業などに対応できる時間も限られてしまいます。

 

こういった事情を考えたときに、採用をする会社側としては、どうしても「正社員は男性で」といった偏見を持ってしまうわけです。

 

会社がそういった判断基準を持ってしまうと、本当に正社員になりたい女性にとっては悲惨な状況になってしまいます。

 

男女雇用機会均等法という法律がありますから、表向きは男性に限定して社員を募集することはできません。

 

男女ともに平等に雇用の機会をあたえなくてはいけませんから、求人票も「男女募集」となっていなければならないわけです。

 

しかし、正社員になりたい女性がそれを真に受けて面接を受けにいったとしても、まず採用をされることはないでしょう。

 

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そもそも家庭内が平等ではないという現実

男女雇用機会均等法という法律があるにもかかわらず、現実的には男女の雇用機会が不平等になってしまっている原因は、必ずしもすべて採用する側にあるとは限りません。

 

学校の行事や子供が病気になったときに、同じ正社員であるにもかかわらず、なぜいつも妻のほうが会社を休まなければならないのか、という点を考えなければならないわけです。

 

つまり、たまにはお父さんが会社を休んで学校の行事に参加をしたり、子供を病院に連れて行ったりしてもいいはずなのに、ほとんどの日本人男性はそれをやろうとしません。

 

「子供の病気くらいで会社を休んでいたら、人事評価に影響する」と主張する男性も多いことでしょう。

 

しかし、同じ正社員ということであれば、それは男性であれ女性であれまったく同じです。

 

女性であれば人事評価が悪くなってしまってもいい、などという理屈は通用しません。

 

また、家事の問題もあります。

 

夫婦ともに正社員として働くのであれば、家事も平等に分担してやるべきです。

 

しかし、日本の家庭においては、女性が専業主婦であることがあたり前の時代が長かったために、家事は主婦がやるものであるというイメージが定着してしまっています。

 

そういった家庭内における女性の不利な立場を解消しないことには、会社が女性を正社員として採用したくないという考え方が変わることはないでしょう。

 

また、女性が20代や30代であった場合、正社員として採用しても子供が生まれたらすぐに辞めてしまうに違いないと企業の採用担当者は考えます。

 

せっかく仕事を教えても、やっと一人前になった頃にやめられたのでは困る、と考えるのが普通の企業です。

 

いまでこそ「イクメン」などと、育児に協力的な男性も増えてきてはいますが、やはりどうしても育児は主婦がやるものであるというイメージは社会から抜けきらないようです。

 

バリバリのキャリアウーマンでも10年のブランクが壁になる

最近は、女性も晩婚化が進んでいます。

 

女性の初婚年齢は、平成5年には26歳でしたが、いまや29歳をこえており、30歳に手が届こうとしています。

 

女性の多くが20代半ばで結婚していた時代には、就職は専業主婦になるまでの腰掛的なものだと考える女性が多くいました。

 

また、企業の側も女性をそのように見ていることが多かったものです。

 

しかし、晩婚化により就職してから結婚をするまでの期間が長くなったことにより、キャリアウーマンとして男性顔負けの仕事をこなす女性も多くなっています。

 

そんな男顔負けで仕事をこなすキャリアウーマンであっても、結婚をして子育てのために専業主婦となってしまうと、再就職はなかなか難しいようです。

 

特に、仕事を辞めてから10年以上たってしまうと、満足のいく職場を見つけることは出来ないようです。

 

高学歴でどんなに仕事のできる女性であっても、一度専業主婦としてブランクを作ってしまうと、年収300万円以上を回復するのは相当にハードルが高いといわれています。

 

採用が厳しいのは正社員だけではない

専業主婦だった人が、働きに出ようと思ったときに高い壁に跳ね返されるのは、正社員を希望するときだけではありません。

 

先にも書きましたが、仕事はしたいけれどもあえて正社員になりたくないという主婦たちの条件は、採用する側からすれば、かなりわがままな条件です。

 

「子供のお迎えがあるので3時までで帰りたい」「夫や子供と休みが合わなくなるので土日の仕事はしたくありません」「できれば毎日ではなく、週に3日だけ働きたいです」などなど。

 

このような条件をつきつけられて、喜んで採用をしてくれる会社はなかなかないでしょう。

 

もし自分の夫がリストラにあってしまったり、離婚をしてしまって必死に働かなければならない状況の女性であれば、このような寝言のようなことは言っていられなくなるわけです。

 

これまで専業主婦として長らくぬるま湯に浸ってきた女性の、贅沢な悩みを聞いてあげるほど余裕のある会社はそうそうありません。

 

「どこに行っても面接で落とされる」とぼやく主婦の方も多いようですが、自分の都合ばかりを主張していたら、採用をしてくれる会社などどこにもありません。

 

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